『 立ち話もなんなので 』

少しだけ占いと労働相談ができる社労士のたまご。言葉と思考の森によく隠れてつぶやいています。

移動の星

第一条

 


このブログは、読者のスキマ時間により生じた暇、手持ち無沙汰又は怠惰による喪失感等に対して、当該読者の余暇の教養と退屈を和らげるためにブログという媒体を通してユーモアを提供することにより、大胆かつ繊細に読者の笑いと精神の安定の向上に寄与することを目的とする。

 


 

 


第一条二項

 


書き手は、読者の笑いと精神の安定に寄与するため、常に自分の精神をごきげんに保つよう努めなければならない。

 

 

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こんばんは。

入國 七帆子でございます。

 

 

わたしは、四柱推命的に移動の星がふたつみっつ入っているらしく、転職及び引越しの回数が通常より多いらしいと四柱推命が好きな祖母から幼い頃、聞かされていた。わたしの父も同じく移動の星がいくつかあった。父は転職は一度もしなかったが、転勤のある職場だった。だから、人よりも移動の多い人生を送っている。

 

わたしはというと、転勤のある職場ではなかったため、人よりも転職した回数も引越しした回数も多いと思う。とても気になるのは、90年という人生のうちに93回も引越しを繰り返した葛飾北斎四柱推命は、どうなっていたのかということ。わたしは、おそらく彼の数字には遠く及ばない。

 

という前置きが長くなってしまった。

今回の一人暮らしは、はじめての経験ではない。一人暮らしは、正確には四度目となる。一度めは学生のとき。二度目は、遠く離れた土地に住む婚約者を追って。三度目は、遠く離れた土地から出戻ったとき。そして、今に至る。実家へも何度も出戻ったため、引越しの回数はもうすぐ二桁に届きそうな勢い。

 

遠く離れた土地にいた頃で、ユースホステルに滞在していたときのこと。そこには、大きな暖炉があり建物の内外のこまかなところに、オーナーのこだわりがあった。

 

「家を三回建ててようやく、自分のほしい家が分かってくる」

 

と、オーナーは暖炉に薪をくべながら話してくれた。

 

一軒家がほしいとは思わないわたしにとって、三回も建てるという意味がほぼ理解ができなかった。わたしは底辺から数えた方が早いOL。一軒ですら建てられそうにない。自力で建てようものなら、姉歯物件よりも危険きわまりない建築物を生み出すおそれしかない。

 

今もその考えには変わりはないが、今ならオーナーの言葉を少しだけ理解できた気がする。

 

ひとり暮らしも四度目にもなると、ほんとうに必要なもの、あれば便利なもの、必要に見えて不要なものもある程度分かる。

 

まず、物件の選び方から視点が異なる。

はじめて一人暮らしを始めようとしたときは、二口コンロが良いだとか、御手洗とお風呂は別々が良いとか、フローリングが良いとかそこに視点がいった。

 

今回の物件を探した時のポイントは、御手洗とお風呂は一緒(掃除が苦手なわたしにとって、ひとつの区間で掃除が済むのは楽ちん)、家具付、2階以上に部屋があること。それ以上は望まなかった。家具付というだけで、もちろんハードルは上がったが……。

 

また、炊事洗濯に関しても、苦手ではあるが、生きることに事欠かないレベルではなんとかやれる。

また、生活していれば物はしぜんに増えていく。だから、引っ越すときはすこし足りないくらいで移動する方が良い。足りない、でもほんとうにこれは必要か?と、自分と物と空間のあいだで対話が生まれるからだ。

 

四度目の一人暮らしが、いちばん楽しい。

自分の時間と生活を、自分の力で動かしているという喜びがある。

 

ここまで読んでくださりありがとうございます。

 

ごきげんよう

 

 

入國 七帆子