『 立ち話もなんなので 』

少しだけ占いと労働相談ができる社労士のたまご。言葉と思考の森によく隠れてつぶやいています。

そうじゃないんだよ

第一条


このブログは、読者のスキマ時間により生じた暇、手持ち無沙汰又は怠惰による喪失感等に対して、当該読者の余暇の教養と退屈を和らげるためにブログという媒体を通してユーモアを提供することにより、大胆かつ繊細に読者の笑いと精神の安定の向上に寄与することを目的とする。

 

 

第一条二項


書き手は、読者の笑いと精神の安定に寄与するため、常に自分の精神をごきげんに保つよう努めなければならない。

 

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こんばんは。

入國 七帆子でございます。

 

皆さんは、呼ばれてみたい肩書きはありますか?

 

わたしにもし、夫がいたとしたら。

 

夫が、夫の上司や同僚、友人にわたしを紹介してくれようとしたときに

 

「僕の妻です」

 

 

と呼ばれることが長年のささやかな夢。

 

間違っても、夫に「嫁」などと呼ばれたくはない。「嫁」という単語を用いるときの関係性は、正しくは息子の妻に対して。わたしの夫(架空)の両親(架空)から「うちの嫁です」と紹介するぶんには正しい使い方である。

そもそも、夫が「うちの嫁」だの「嫁さん」というのは、なんだか馬鹿っぽく聞こえしまい不快で仕方がない。

 

嫁と呼ばれるよりは幾分かマシだが、「奥さん」と呼ばれたくはないかもしれない。奥さんという場合の相手との正しい関係性は、他人の妻に対して用いるものである。わたしは他人ではない。あ な た の 妻 な の よ!!という話なのである。

 

言葉は生もの。

意味も時代に合わせて変わる部分もある。だが、わたしは未来の夫からは妻と呼ばれたいし、わたしも「旦那さん」でも「主人」でもなく、夫と呼びたい。

 

 

という願望の他に(まだあるんかい)。

 

 

たとえば、夫(架空)と旅館やちょっといいところで食事をしたときのこと。

 

そのときに

 

 

「奥様」「お連れ様」

 

 

 

そう呼ばれたい願望がある。

 

 

このときの奥様は、大歓迎である。

 

 

 

さて、そんな話を職場でしていたときからあまり時は経たずに、思わぬところでその言葉を言われた。

 

 

恋人とわたしはラーメンが好きで、週に一度はラーメンを食べに行く。わたしはその日、彼の行きつけのラーメン屋さんへ連れて行ってもらった。入國地方では、そこそこの有名店でありラーメン通なら必ず知っている店のひとつに入る。

 

恋人が、替え玉を注文する。

 

 

わりと少食な恋人。珍しいな、と思いながら、わたしはスープをすする。

 

 

すると店員がわたしに声をかけた。

 

 

「お連れ様は?」

 

 

 

 

思わぬところで、お連れ様と呼ばれたわたし。

 

 

念願のお連れ様。

 

 

 

でも、違うの。

 

わたしの言われたかったお連れ様は、ちょっといいとこのお店や旅館で、お連れ様もどうぞこちらへ的に言われたかったの。

 

 

替え玉、お連れ様も注文どうですか?のお連れ様じゃないの。

 

 

替え玉頼みたそうに見えたの?

ねえ、見えたの??

 

 

お連れ様のそうじゃない感をひた隠しにしながら、わたしはスープのほとんどを飲み干した。

 

 

ここまで読んでくださりありがとうございます。

 

ごきげんよう

 

入國 七帆子